貴金属買取における「税金」の予備知識

金やプラチナなど、「高価買取」をうたう買取店も少なくありませんから、「積極的に買取利用を検討してみようかな」と考えている方も多いことでしょう。使っていないジュエリーや、押し入れの中にしまい込んでいた金地金など、貴金属買取の対象となる品目は多岐にわたります。

売却することで利益を出せれば、得をした気分になれるはず。

しかし一方で、「売却して利益が出た」ときに、忘れてはいけないのが「税金」についてです。予備知識を持たないまま貴金属買取をすると、知らない間に納税義務が発生している可能性もあります。

貴金属買取前に知っておきたい「税金」に関する予備知識を、取引の内容別にわかりやすく解説していきます。

税金がかかるのかは、取引の内容によって変わる

貴金属買取で税金が発生するのか。また発生するとしたら、いくらぐらいになるのか。買取サービス利用の前には不安を抱く方も多いことでしょう。しかし宝石買取における課税の内容については、「どのような取引をどんな金額で行ったのか」によっても、細かく区分されています。

ネット上で「金を売却したら○○円の税金が発生した!」なんて口コミを見ることもあるかもしれませんが、それがそのまま、自分のケースに当てはまるとは限りません。貴金属買取における税金の有無をチェックするためには、まずは自分自身がどのような取引を行っているのかを確認する必要があります。

取引の内容を見極めたら、次は取引金額から税金が発生するのかどうかをチェックしましょう。具体的な取引内容の種類と、税金を求めるための計算式を次項目から詳しく解説していきます。

ジュエリーの買取などで生まれる「譲渡所得」

一般の方が「貴金属の買取を依頼する」となったとき、もっとも多いのがこのパターンです。貴金属の買取で継続的に利益を生み出そうとしているわけではなく、以前から所有していた貴金属を売却し、一時的な利益を生み出そうというスタイルとなります。

この場合、買取店に貴金属や宝石の買取を依頼し、受け取るお金は「譲渡所得」となります。貴金属だけではなく、あらゆる品を売却したときに得られるお金のことを指す言葉で、金額によっては課税の対象となるので注意する必要があります。

買取額と課税の関係

平たく言えば、「取引で得た金額が多ければ多いほど課税される可能性が高くなる」ということになりますが、「どこから、そしてどの程度税金がかかるのか」は、取引した品物によっても異なります。

貴金属や宝石を売却した場合には、「売却で得た譲渡所得が30万円以上」の場合にのみ税金がかかるようになっています。とはいえ、「買取金額」がそのまま「譲渡所得」になるというわけではなく、以下の計算式によって求められます。

【買取で得たお金】-【購入時にかかったお金】-【特別控除50万円】=【譲渡所得】

貴金属や宝石類は、購入時にもある程度の金額を支払っているはず。また特別控除の50万円があることからも、「よほど高額な取引にならない限り、税金は発生しない」と考えて良いでしょう。

金地金の継続的な売却は事業所得もしくは雑所得

売却する品物が金地金(インゴット)の場合には、少し注意する必要があります。まずは自身の取引が、以下のいずれに当たるのかをチェックしてみてください。

・事業として金地金を取引し、利益を生み出している
・事業ではないが、継続的に取引をして利益を得ている

事業として売却を行っている場合には、「事業所得」が生まれることになりますし、事業ではなくても継続的に取引を行っているときには、「雑所得」が生まれます。

事業所得

事業所得の場合は、事業で生み出されたそのほかの所得や売却損と通算して、確定申告を行います。そこではじき出された、既定の税金を納めることになります。

雑所得

雑所得に当たる場合には、雑所得の中で通算してやはり確定申告を行うことになります。ただし年収2,000万円以下のサラリーマンの場合、一年に20万円までの雑所得であれば、確定申告の必要はなく、課税もされません。

雑所得には、貴金属の買取で得た利益のほか、年金やアフィリエイト収入、FX取引による儲けなど、あらゆるものが含まれています。これらすべてを合わせて1年間に20万円を超える場合、確定申告でそのほかの収入と合算し、それに見合った税率で税金が加算されることになります。

取引が高額になりそうなときには、税務署に相談を

これまでに紹介してきた「貴金属買取と税金に関わる仕組み」から、一時的な貴金属買取であれば、税金が発生する可能性は極めて低いと言えるでしょう。とはいえ、非常に貴重な金属を一気に売却したときなど、取引が高額になりそうなときには、注意する必要があります。

特に金やプラチナなどのインゴットは、どれぐらい所有してから売却したのかによっても、所得の計算方法が違ってきます。

・計算式で、自分に当てはまるものがわからない
・譲渡所得になりそうだけど、そもそも購入時の金額がわからず、所得を確定できない

このような場合には、事前に税務署に相談をして、「自分の場合はどうなるのか」をアドバイスしてもらうと良いでしょう。その結果によって、税制上、もっとも自分に合った取引スタイルも見えてくるはずです。

買取で利益を得たけれど、想像以上に課税されてしまった!なんて失敗を防ぐことができるでしょう。